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2010年7月

2010年7月 5日 (月)

2010年日本サッカー「プロジェクトX」

57_2  久しぶりに日本中が沸きかえり、悔しいけど、誰もがすがすがしい気持ちになることができました。FIFAワールドカップ・日本代表のことです。

 私も高校時代はサッカー部、戦術的な話をすると長くなるので割愛しますが、南アフリカに行く前のチームの戦いぶりはまさにどん底、一体、どんなサッカーをしたいのか、まるで見えてきませんでした。ただパスばかりを回しあって、相手のプレスがかかると直ぐ後ろに球を戻す。せっかくカウンターのチャンスなのに、どこへ出そうかと迷っているうちに敵のプレスに挟まれてボールをとられる。まあ、目標のある人間が集まると「チーム」、目標のない人間が集まると「グループ」ですが、さしづめ日本代表は「勝つ」「点を入れる」という目標をどこかに置き忘れてきたサッカーグループといった状況でした。

 それが見事復活できたのには、さまざまな理由があるでしょうが、安倍をアンカー(守りの重鎮)にすえたように「攻めから守りへの戦術転換」をし、闘莉王がいうように「下手くそなりのサーカーに徹する」最後の開き直りが大きかったのではないでしょうか。そこに、ひとりひとりの魂と役割意識が全てひとつの鎖になったことが、今回の結果を生んだと理解しています。

 PK戦で負けたことも含めて、今回の全ての結果が、神様の手によって導かれたように思えてなりません。カメルーン戦の松井のドンピシャパス、デンマーク戦の2本の神業的なフリーキック、教科書のようなアシストパスは、いままでの日本が何試合やったら描ける得点シーンでしょうか。また、オランダ戦のたった1点も、個人技の差をまざまざと見せ付けられるような無人のゴールにショッキングなシュートを入れられるのではなく、キーパー川島が一度ははじき、「あれはしょうがないね」と納得できる惜しい点。しかもパラグアイ戦では、何度もゴール前で奇跡がおき、あれが全部入っていたらと思うと・・・、終わってみれば0:0というあたり、やはり日本に神様がついていたとしか思えません。

 それよりも何よりも、私が嬉しかったのは、日本代表の彼らが日本の若者たちに、そして子どもたちに、これ以上ない「仲間の素晴らしさ」「日本人の素晴らしさ」を見せてくれたことでした。ゴールした本田も、遠藤も、岡崎も、控え選手の輪の中に飛び込んでいったシーン、PK戦の前に選手27名だけでなく監督もコーチも皆で円陣を組み励ましあったシーン、PK戦でキックミスをした駒野を皆で列の真ん中に呼び込んだシーン、どのシーンも日本人の目に焼きついているはずです。

 思い起こせば日本が、ワールドカップの初めての切符を手からこぼした1993年10月の「ドーハの悲劇」。ロスタイムのコーナーキックからイラクに奪われた同点の1点。予選敗退が決まったこの瞬間、選手たちは皆、グランドに崩れ落ち、泣き、立ち上がれませんでした。その選手を、一人ひとりグランドを回り起き上がらせたのは監督のオフトでした。それから13年、前回のドイツ大会でブラジル戦に敗れてグランドに仰向けになってひとりで泣いていたのは中田英俊でした。ドーハから17年、4回目のワールドカップを迎え、決勝トーナメントのPK戦で敗れた日本の選手は、泣きながらも仲間が仲間の肩を抱き、励まし合い誰一人として孤独な選手はいませんでした。

 私たちは、素晴らしい選手と監督・コーチと、そしてサポーターを持ちました。まさに日本サッカーの4年間にわたる「プロジェクトX」。PK戦の負けを含めて、「私たち日本人の素晴らしさ」を私たち日本人に教えてくれるために、やはり神様が味方してくれたと思わずにはいられません。

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