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2009年9月

2009年9月21日 (月)

意志のあるところに道ができる

49  いよいよ鳩山内閣が発足しました。「政治主導」を掲げ、従来のような官僚のひも付き会見がないスタートは、TVで見ていても「脱官僚」の決意の程がわかりました。また矢継ぎ早に各大臣が政策について「実行,廃止」などを明言し、「検討する」などという不明瞭な発言をしなかったことは爽快感もありました。

 鳩山総理はじめ、どの大臣も原稿を見ずに「政治への思い」を自分の言葉で語っているのは、(政治家なら当たり前のはずなのですが)改めて力強さと主体性を感じました。
 このブログでも述べてきたことですが、いままで「やりたいことのない政治家」が総理大臣になり、「いま任命を受けたばかりですので、これから勉強して・・・・」などというとぼけた答弁しかできない「ご褒美」大臣が、いかに国民をバカにしていたことかを逆に浮き彫りにもしました。

 9月17日に行った毎日新聞の全国世論調査では、内閣支持率は77%、小泉内閣の85%に次ぐ歴代2位だそうです。77%の理由は、「政治のあり方が変わりそうだから」が77%と最多の一方で、「政策に期待できるから」はわずか15%でした。これらの数字からは、政治の転換には期待するが、政策については必ずしも全てがOKではないという国民の判断を読み取ることもできます。今回の選挙で国民が民主党を支持した最大の背景は、「脱官僚政治」による「無駄な税金使途の排除」でしょう。

 ところが国民新党との連携で「郵政民営化の見直し」がセットになっています。そもそも民主党は、今回の選挙で国民の多くが「郵政民営化の見直しを求めている」と思い込んでいるのでしょうか。もしそうであるなら私が不思議に思うのは、4年前に小泉総理の「郵政民営化」を支持した圧倒的多数の国民は一体どこに行ってしまったのか、という疑問です。

 また「高速道路の無料化」も、一時のレジャー対策にはわかるのですが、恒常的に無料化に問題がないかという疑問です。数多くのファミリー企業がいまもぶら下がっている高速道路が無料化すれば、借金の返済はさらに遠のき民営化の努力も方向を失う危険が大です。高速道路が無料化すれば道路補修費も、村から出たこともないおばあちゃんからの税金も投入しなければならなくなります。そもそも新幹線も飛行機も受益者負担が当たり前なのに、自動車の高速通行料が無料なら、いずれは新幹線も無料にするということなのでしょうか。

 このように、大きな政治変革に大いなる期待を寄せるとともに、政策各論については問題・課題も多いので、国民は是々非々で声をあげ皆で日本の国をよい方向へ導いていきたいものです。国民の1票が政治を変えるということを、今回ははっきりと証明しました。前途は多難が予想できますが「新しい日本の夜明け」に期待したいですね。

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2009年9月14日 (月)

「地球に優しく」の欺瞞

48  1971年に世界で初めて、欧州アルプス3大北壁の登はんに成功した女性が、医師であり登山家である今井通子さんです。その今井通子さんが、毎日新聞夕刊の「生き方再発見・新幸福論」の中で、自然の中で生きてきた人らしい対談を記者としていました。

 彼女は現在67歳ですが何しろ生活スタイルは極力自然のままで、化粧も口紅程度でクリームなども使わず、自分の皮膚調節機能を生かし洗顔も水だけ。皮膚細胞のバランスを自己責任で保つことが、健康維持管理のために有効な方法なのだと言っています。

 朝起きた時も部屋の電気はつけないで暗視能力を鍛える、それが災害時の備えにもなり、人間が持つ動物的機能を文明の力で甘やかさない生活になるとのこと。食べ物も長野県の白馬村で米や野菜をつくり、自分の体に有害物質を入れない生活をしているそうです。かといって主義主張で固まった感じは少しもなく、あくまでも自然体なのです。

 そんな自然に生きる今井さんが、大嫌いな言葉があるとのこと。それは「地球に優しく」という言葉。そのわけを私は聞いて、あらためて彼女の慧眼に眼が覚める思いがしました。

 彼女は言います。「優しくしなくたって、地球自体は全く困らないんです。暑くても寒くても。それよりも温暖化して困るのは動植物であり、私たち自身なんです。紫外線が増えたら皮膚がんの危険性も増していく。だって防衛能力を持って作られていないんですから。
 ヒトが心地よく生かされる環境を保つためには、どうするか。もっと自然との付き合い方を学ぶべきだと思いますよ。」 

 私たちは、さもさも「地球を大切に」と思い、「地球に優しく」を合言葉のようにしてきました。しかし考えてみれば、もともと地球は氷河が来ようと灼熱地獄になろうと、それは地球の表面上の問題で、自己エネルギーで内的活動をしている地球には痛くもかゆくもないのです。むしろ、困るのは、この地球上で生かされている我々人間を含めた動物・植物たちだということ。ですから、さもさも地球のことを考えているような「地球に優しく」という言葉が、いかに欺瞞で、しかも高いところからモノを言う人間のおごりから生まれたものであることかを、私は今井さんに教えられました。

 私はマーケティングの仕事をしていますが、「お客様の満足」「お客様のために」ということが全ての考え方の基本です。しかしながら、今井さんの話の後にすぐ、「お客様のために」という言葉について考えさせられる、ある出来事がありました。

 いま大手スーパーやコンビニではプライベートブランドのラッシュで、消費者も従来のメーカー品よりも安いので大喜びです。しかしながら、このPB商品を作っているのは、実は他ならぬその従来メーカー各社なのです。そんな老舗中の老舗の納豆メーカーが先日倒産しました。3パック580円の廉価な納豆が、大手小売店の目玉商品にされてその挙句、儲けがないことから資金繰りに行き詰まり潰れてしまったのです。販売ネットを持っている大手には逆らえず、自社商品と同じ品質を安く叩かれPB商品を受注せざるを得ない状況に追い込まれていった結果でした。

 「消費者のために」が、いままでがんばってきた老舗企業を倒産させてしまう現実。スーパーやコンビニ大手が言う「消費者のために」が、本当に長い眼で見たとき、本当に「消費者のために」なのか、それが本当に世の中のためになのか、私はどうも今井さんの言葉から、「きれいごとの欺瞞」ということがアタマに引っかかって消えません。

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2009年9月 8日 (火)

国民が政治に参加するということ

47  政治と宗教と贔屓のスポーツチームの話をお客様とするのは、セールスの世界ではタブーとされてきました。好き嫌いの世界なので、お客様と認識が違うと商品を買っていただけないからです。しかしながら、今回の衆議院選挙については、みんなで話し合うことが日本の国の行く末にとって大切と考えます。

 自民党が惨敗しました。むしろ自滅といってもいいでしょう。解散をするために自民党が総理大臣として選んだ麻生さんだったのに、自民党への風向きがさらによくなってからと彼が総理の椅子にしがみついたことが、全く裏目に出てしまったというほかありません。

 この10年の日本の総理大臣を見ていて私が思うのは、彼らは政治家でありながら「日本の国のかたち」について、「長期的なヴィジョン」を本当に持っていたのか、という疑問よりもむしろ無念さです。大げさに言えば、「国家100年の大計」についての認識が、あまりにもなさすぎたのではないか、ということです。

 小泉さんは郵政民営化と道路公団民営化にエネルギーを注ぎ、それらを民営化した段階で辞めてしまいました。せっかく新しい政治が始まりかけたのに、です。つまり彼のヴィジョンは国営の巨大事業を民営化し、旧来の政治を壊しかけた範囲までしかなかったということでしょうか。そのあとを継いだ安倍さんは、祖父の岸信介の背後霊に突き動かされてか「憲法改正による再軍備」にしか意識がなく、「美しい国日本」という美辞麗句と憲法改正がどこでどうつながっているのか見えませんでした。また福田さんは、みんなが総理をやれというからやっただけで、何もしたいことがない人だということがわかりました。小泉さんの補佐をしたときは有能だったことから、彼は冷徹な事務官でリーダーの器ではなかったということでしょう。そして麻生さん、この人も総理になりたかっただけで、総理になって何がしたいとか、国民をどうしたいとか、まるで関心が薄く、というより現状認識が全くトンチンカンの人でした。

 そして政権は民主党に移りました。選択した国民の本意は、民主党の政策の全てに賛成ではないが、いままでのような税金の無駄遣いと閉塞感を民主党が打ち破ってくれればいい、というのが多くの人々の本音でしょう。
 表鳩山・裏小沢政権が今後どのように機能し、国民に対し何をどのように政策を具体化していくのか、私たちにはしっかりと見守る責任があります。あわせて、選んだ者の責任として、今後は彼らを是々非々でよりよい方向へリードする役割も担っていることを忘れてはなりません。国民は、自らのエネルギーを批判評論の立場にだけ浪費するのではなく、一緒に国づくりに参加する主体者として、自らのエネルギーを国益にプラスに活かす責任も負っていると思うのです。

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