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2009年8月 3日 (月)

あなたはどの党と契約を結ぶか

45  いよいよ衆議院総選挙が迫ってきました。今回の選挙はひとつの時代の終わりを予感させ、そしてこれから私たちの生活がどのようになっていくのか、いやでも関心を持たざるを得なくなっています。

 従来の選挙では党の公約も抽象的で、いざとなったらいくらでも「逃げ」を打てる総花的内容でした。しかしながら、今回の選挙に対する各党のマニフェストは、ここらのごまかしでは国民に通用しないことを、ある程度は意識して作られたようです。とはいっても、マニフェストの理解がまだまだ不十分な党もあり、衆議院は任期4年なのに10年先に向けてのスローガンを述べているのもあったりして、これでは党としても政治家としても旧態依然です。ただ、政権交代を標榜する民主党などは4年間の工程表を添え、期間を区切って公約と達成責任を明確にしたことは画期的なことではないでしょうか。

 とくに最大の焦点となる自民党と民主党の政策の大きな違いは、「税金をどのように使うか」の一点にあるように見えます。自民党は予算を組み、従来どおり、その運用を役人に任せる考え方は同じです。結局、マニフェスト作成に官僚が関与すればこうなるのは目に見えています。しかし民主党の打ち出した政策では、その恩恵を蒙るはずの国民個人に直接分配し、その間に役所や役人の介入する余地を残さないしくみにも見えます。このしくみと分配には注目すべきでしょう。ただ、財源の問題については、民主党は経済政策が希薄で、脱官僚政治だけで原資が捻出できるかは疑問が残ります。

 さて、4年前に「郵政民営化解散」で選挙したときに、今日の状況を誰が予測したでしょうか。自民党の惨状は目に余るものがあります。にもかかわらず、国民は自分たちの投票結果を忘れたかのような涼しい顔をしています。
 たとえば、民主党は「脱官僚」を標榜し天下りの撲滅をうたっていますが、「郵政民営化の見直し」を主張し、全国の特定郵便局長会に利のある票集めをねらっています。また、この郵政には、いまでも2000近いファミリー企業が群がっているようで、民営化が進まなければ結局、この利権の企業はそのまま残ってしまうことでしょう。果たして前回、「郵政民営化」に賛成して1票を投じた人々は、今度はどのような選択をすればよいのでしょうか。

 さらに一歩突っ込んでみてみると、自民党は省益を守る族議員だらけで、また民主党も公務員改革といっても全国の公務員組合が票のバックにあります。どの党もきれいなことを言うけれど、裏では現実の票集めにドロドロした利権がうごめいている感じがどうしてもぬぐえません。

 中世の画家・ブリューゲルに「盲人の行列」という絵があります。何もわからぬまま、ただ行列の誰かに先をゆだね追随していく盲人になぞらえて、大衆の愚かさを表現したものです。また、かってのベストセラー「日本人とユダヤ人」の作者とわれる故・山本七平氏が「空気の研究」という自著の中で、日本人の特質を見事に喝破しています。日本人には「気の向くまま」という言葉通り、何となく人々が右向けば右に倣え、左向けば左に倣えで、まるで「空気のごとく主体性なく流れていく」ことを指摘しました。大政翼賛会が戦争を後押しして日本は太平洋戦争に突き進んでいきました。そして、戦争に負けるや、今度はネコも杓子も「民主主義」にかぶれ180度の転換を、いとも簡単にしてしまう国民です。小泉総理が「郵政民営化!」といえば自民党が大勝し、たった4年でこの有様。

 さて、秋風の吹く9月には、新しい政権が生まれているでしょう。各党の「政権公約」は、国民との「契約」なのです。政権を担うこととなった党は、まさに「国民と契約を結ぶ」ことになります。あなたは、どの党と、どのような根拠で「契約」を結ぶつもりですか。私たちはくれぐれもムードや一時の感情で、党や人との契約書に「印鑑」を押さないようにしたいものです。

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