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2009年5月 4日 (月)

草なぎクンを起用した企業が、コマーシャルに求めるもの

 ちょっと時が経ってしまいましたが、「草なぎ剛、公然わいせつ容疑で逮捕」---何ともおどろおどろしい話でしたね。新聞もテレビも、一斉に報道しました。一体、何をしたのだろうと驚くと、実は「誰もいない公園で夜中の3時頃、裸になって大声を出して騒いだ」というだけ。人前で痴漢でもしたのかと思ったら、まるで拍子抜けでした。

 そもそもおかしですよね。真夜中の3時に誰もいない公園が、「公然」になるのでしょうか?誰も見ていないところで素っ裸になると、これが「わいせつ」になるのでしょうか?一体、警察の誰が、こんなバカバカしい判断をしたのかと思ったら、その翌日、総務大臣が「最低!」と会見を開く。もう、日本という国は、いつからこんな「ガチガチあたま」の息の詰まるような社会になってしまったのでしょうか。日本国民として情けなくなりました。

 テレビドラマで、こんな映像を想像してみてください。
 恋人との間に問題を抱え仕事にも疲れた青年が、つい心を許した店で深酒をして帰路に着く。酩酊状態の彼を心配して店の人が「大丈夫?」と送ってくれるが、「ここからはひとりで帰れるから」と家の近くで車を下りる。千鳥足で迷い込んだ誰もいない公園。ベンチに座ると、さまざまな思いが去来してやるせない気持ちが一気にこみ上げる。「バーカ、バーカ」と口にしながら服を脱ぎ、何度も何度もでんぐり返しをする彼。いつの間にか降り出した雨が、彼の細身の体を濡らしていく。その裸のまま胡坐をかいて、雨に濡れながら天を仰ぎ大声で叫ぶ。その彼を、カメラはローアングルから公園を俯瞰する位置に移動していく。

 今回の事件の現実が、こんな夢物語でなかったことはご存知の通りです。しかしながら、こんなシーンのモチーフにもできる程度の「できこと」なのです。石原慎太郎都知事の正直な言葉、「俺もやってみたいよ」。多くの男の人が、そう思ったに違いありません。

 多少のお騒がせで近隣に迷惑をかけたこと以外に、いったい彼に何の罪があるのでしょう。コマーシャルスポンサーが軒並み広告を取りやめにして、企業に多大な損害を与えたことが彼の罪なのか。ちょっと待って欲しいのです。彼を起用したのも企業の意志だし、彼のコマーシャルを取りやめたのも企業の意志のはずです。そもそも「草なぎクンの酒の失敗」で、はたしてスポンサー企業は、企業イメージに甚大な被害を蒙ったのでしょうか。

 毎日のように、あっちの企業の偽装や、こっちの企業の反社会行為で経営者が頭を下げています。どの顔を見ても、心からわびているようには思えません。こんな建前の記者会見でお茶を濁して、後はのうのうとしている輩に比べれば、草なぎクンの反省記者会見が、どれほど「心からの反省」であったかご覧になった方はわかろうというもの。自分の過ちに正面から向き合い、質問にも逃げることなく言葉を捜しながら精一杯応えている姿を見て、むしろ「やっぱり彼は、あの通りの好青年なんだ」と思われた方が多かったのではないでしょうか。

 私がスポンサー企業の経営者なら、いますぐにでもコマーシャルを復活放映させます。しかも、杓子定規の世間体などにはきょろきょろせず、毅然たる態度で。その信念と勇気ある行動に、草なぎクンのファンでなくても、その企業と商品はまちがいなく善良なる市民の絶大な支持を得て、企業イメージは以前よりアップするはずです。

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