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2009年4月20日 (月)

日本はどこに行こうとしているのか(下)

37  前回は、北朝鮮のミサイルに端を発して、日本の過剰な反応のお話しをしました。そして、その裏に政府や防衛省のさまざまな思惑が見え隠れしています。また、今月の「文芸春秋5月号」の「鳩山由紀夫・邦夫の兄弟対談」で、由紀夫氏が「民主党の中で根っこは護憲だと思っている方は1割か1割五分くらい」と断言しています。戦争を知らない世代が日本国民の75%を占める現在、「憲法第9条」はまさに風前の灯火なのでしょうか。

 さて先日、NHKでは「JAPAN150年の軌跡」という特別番組の中で、外交官・安達峰一郎を取り上げていました。彼は外交官としてヨーロッパにいて、第一次世界大戦の惨状を目の当たりに見ました。その結論として安達は、「戦争によって解決するものは何もない」ことを、身をもって知ったといわれています。昭和5年、ハーグの常設国際司法裁判所の裁判官として、彼は国際連盟52カ国のうち49カ国の得票で第1位に選ばれます。そして翌年、日本が満州事変に突入した年に、彼は同裁判所の所長に選ばれ「法による世界平和」を訴えました。

 彼は当時、何度も日本政府に「法による世界平和」を説きましたが、すべて拒否され日本は大陸に侵攻していきました。その侵攻中、彼は亡くなりましたが、ヨーロッパの国々から「世界の良心」として尊敬され、国際司法裁判所のあるオランダでは、国葬にまでなったことを今でも日本人のほとんどが知りません。

 この安達峰一郎の「法による世界平和」が基本理念になり、日本国憲法の憲法第9条「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」という条文が誕生したといわれています。この「国際紛争の解決手段としての戦争を永久に放棄する」精神が、国の憲法にうたわれているのは世界広しといえども日本だけです。そして、いまさまざまな国で、この条文を「世界が平和になる唯一の道」として見直す動きが出ています。

 この5日、オバマは「核兵器廃絶」を世界に表明しました。おそらく、この宣言が、軍事費削減の表向きのきれいごとならガッカリですが、もし、今後の状況に関わらずオバマが一貫した政策を打ち続けるならば、おそらく歴史的な宣言になることでしょう。

 日本の中では、与党も野党も血気盛んで、「やったらやりかえす」などと、やくざの出入りのような「匹夫の勇」発言がポンポン飛び出しています。今後、日本は「法による世界平和」をめざすのか、それとも「武力による世界の安定」に組していくのか、これからの5年間で状況が大きく動くような気がしています。それこそ、私たち日本国民は、将来をしっかりと見定め、どちらを選択するのか、その選択の重要な岐路に立たされているように思えるのですが・・・・

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