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2008年11月 5日 (水)

「追加経済対策」を、経営的視点で眺めてみる

19  10月30日に麻生総理大臣が、「追加経済対策」を発表しました。
 その要旨を、総理の言葉からじかに拾ってみると、「定額減税については給付金方式で、全所帯について実施・・・単純に計算すると、4人家族で約6万円になるはず」「雇用につきましては、雇用保険料の引き下げ、働く人の手取金額を増やしたい・・・正規雇用をするように奨励します。」「介護、子育てについても力を入れます。住宅ローン減税は、控除可能額を過去最大に拡大したいと思います。」「これから年末にかけて、中小企業の資金繰りは苦しくなります。合わせて約30兆円の対策となります。」「高速道路料金を大幅に引き下げます。休日は・・・最高1,000円。平日は、昼間も3割引に・・・道路特定財源の一般財源化に際しましては、1兆円を地方に移します。」「日本の財政は、依然として大幅な赤字であり、今後、社会保障費も増加します。国民の皆さんは、この点について大きな不安を抱いておられます。その不安を払拭するために、・・・・・景気回復期間中は、減税を時限的に実施します。経済状況が好転した後に、財政規律や安心な社会保障のため、消費税を含む税制抜本改革を速やかに開始します。そして、2010年代半ばまでに、段階的に実行・・・・大胆な行政改革を行った後、経済状況を見た上で、3年後に消費税の引き上げをお願いしたいと考えております。」

 「朝三暮四」という故事成語があります。猿の飼い主が猿たちに「朝3つ、日暮れに4つエサをあげよう」と言ったら猿が一斉に怒ったので、「それでは朝に4つ、日暮れに3つあげよう」と言ったら皆喜んだという話。皆さんもご存知の「目先の違いにとらわれて全体に気づかない愚か者」の喩え話です。この朝三暮四になぞらえれば今回の対策は、「家族の皆も苦しいだろうから、1回だけ6万円をお小遣いとしてあげよう。そのかわり3年後からは皆もお金がかかる年頃になるので、毎日もっとお金を入れて欲しい」というものです。

 さて、皆さんは、この総理の対策を、家計や経営に置き換えた場合、何点ぐらいをつけられますか。
家計や経営の赤字建て直しで大切なことは、2つしかありません。それは「収入を増やす」ことと、「支出を抑える」ことです。しかし、経営や家計が恒常的に赤字の場合は、収入が少ないというより支出が体力にあっていない場合が多いのです。そういう時は、まずは「出ずるを制す(出費を抑える)」ことが経営の原理原則です。つまり、歳入に対して歳出が妥当かどうかの点検が、まず必須の経営政策となります。

 さて、その支出の実態を見てみると、世界でもトップクラスの防衛費、要らない道路の建設まで組み込んだ道路特定財源、その曖昧使途、不必要な独立行政法人、官僚の大量天下り、地方交付税の裏金続々など、私たちが汗水たらして働いたお金が、私たちの知らないところで一部の狡賢い役人と族議員はじめ影の利権者たちによって横領されている現実があります。これでは私たちがいくら働いて家計に入れても、「極道モノ」が吸い上げて湯水のように浪費しているのですから、健全経営になるはずもありません。医療費の増大とか生活福祉の増大を大義名分にお金をせびるよりも、まずは支出の総点検こそが世帯主や経営者のやるべきことです。

 お金は意義のあることに使わなければなりません。つまり、お金は経営でも国家でも、生産的なことに使わない限り増えないのです。ましてや自分は稼がないで人にせびり借金しまくりでは、有効にお金を使うはずもなく生活は絶対に豊かになりません。そして、日本の家庭が豊かにならない限り、国が豊かになることもないでしょう。まず無駄遣いをなくすこと。そして、明日のために最大有効にお金を使うことです。「朝三暮四」よりもひどい政策で喜ぶほど、国民はバカではないことを官僚も政治家も知るべきです。
さて、我々経営に携わる者にとって、この国のお金の使い方はまさに「他山の石」、時には反面教師として多くを学ぶなければいけないと考えますがいかがでしょうか。

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