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2008年8月 4日 (月)

エリザベスクィーンと語り合いたい

08 先日、エリザベスクィーンが初勝利をあげました。
 名前からも察しがつくように競馬馬です。かといって、私は競馬ファンではありません。たまたま車の中のラジオで、その馬の勝ちを知ったのです。でも、競馬ファンの方なら、もう、この馬の話で持ちきりなのではないでしょうか。なぜなら、何といままで国内の最多連敗記録となる165連敗、それが166戦目にして初勝利したからです。

 私が初めて、この馬の存在を知ったのは、たまたまTV番組「ブロードキャスター」か何かだったと記憶します。ゴール直前まで2位につけていたのですが、やはり最後には抜かれてしまいました。でも、一生懸命走る姿、後わずかで勝てそうな姿に、「ええ?これで一回も勝てたことないの?」というのが正直な私の感想でした。いままで、きっと惜しいレースが何回もあったのではないか、と思っていた矢先の勝利です。

 わたしは、このニュースを聞いただけで、なんとも嬉しくなり胸が熱くなりました。たった1回テレビで、それもわずかの時間見ただけなのに・・・・・不思議なものです、おそらくテレビを見たあとから、「残念だなあ・・・」という気持ちと、それに続く「がんばれ」という気持ちが、私の心のどこかに残っていたのかもしれません。

 エリザベスクィーンは7歳になる雌馬だそうです。2003年に北海道でデビューし、その後、佐賀、愛知、兵庫などを転戦してきたとのこと。165連敗の中には、2着が8回、3着が17回もあるそうです。おそらく自分でも、残念なレースや悔やまれるレースがいくつかあったに違いありません。馬も勝ったときはわかるというし、であるならば、負けたときもわかるということでしょう。

 もし、エリザベスクィーンが人間のアスリートだったら、はたして何連敗の段階で、引退を決意しているのでしょうか。宮本武蔵は生涯、60数回の試合をして負けたことがなかったそうですが、負ければ死という真剣勝負の時代、勝っても辞めたくなることがあったに違いありません。なのにエリザベスクィーンは、毎回毎回諦めることなく疾走し、後わずかで敗北の涙に終わる。走っても走っても勝てない、転職したくても自分で自分の人生が決められない。人間ならどこまで精神が持つのか、どんな思いで毎夜、ひとり厩舎で孤独な夜を過ごしてきたのでしょうか。

 でも、彼女はとうとう勝ったのです。165連敗の意味は大変に大きいが、その後の1勝の意味は、とてつもなく大きいでしょう。いや、「165連敗後1勝」の意味が、鳥肌が立つほどすごいと私は思っています。
 彼女が引退したら、その後の運命はどのようになるのでしょうか。おそらくサラブレッドのDNAには程遠いことから、名馬を生む母になることもないでしょう。競走馬にとっては、早く走れないDNAは無価値なのですから。

 でも、私は絶対に彼女に子供を生んでほしいのです。これほど自分の人生と闘いながらがんばっている「おかあさん」を、母にもてる子は絶対に幸せな子です。そして、母と子でいっぱいお話しをしてほしいのです。「お母さんが、お前を生む前はね・・・・」と、おっぱいを飲ませながら、いっぱいお話しをしてほしいのです。
 私が、いま一番、会ってお話を聞きたい人は、エリザベスクィーンです。彼女は今日もひとり厩舎で、孤独な夜を過ごすのでしょうか。

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