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2008年7月14日 (月)

議して決せず、会して議せず

06  ナポレオンが敗北してエルバ島に流された後のヨーロッパでは、彼に征服される前の秩序を取り戻したくてウィーンで会議が開かれました。会議は1814年の9月から開かれましたが、各国の利害が対立して数ヶ月経ってもなかなか進まず、議定書に至るまで約9ヶ月も要しました。これが有名な「ウィーン会議」です。
 この会議では、会議そっちのけで各国の王侯貴族が夜遊びに励みウィーンの町の風紀は乱れ、会議そのものもダラダラと進みませんでした。そこで、とうとうウィーンの気概ある元元帥ジョゼフ・ド・リーニュ侯が、「会議は踊る、されど進まず!」と痛烈に批判し、うんざりしていたウィーンの人々が拍手喝采したという逸話もあります。これを題材にシネ・オペレッタの最高傑作といわれる映画「会議は踊る」(1931年)も生まれました。
 さて、どこかの会議に似ていませんか。そうです、先日終わった洞爺湖サミット。
 世界の首脳のほとんど集まったにもかかわらず、「CO2の排出量」「アフリカの食料危機」「石油の高騰」など重要議題と解決策は急を要するものばかりなのに、何ひとつ決めることができませんでした。

 「CO2の排出量削減」では、何と42年先の2050年の数値目標すら決められませんでした。また「アフリカの飢餓対策」を検討するサミットなのに、キャビアやトリュフの晩餐会にも批判がでました。ただ一人、上機嫌だったのはブッシュ大統領で、次期政権から「余計なことは決めてこないでほしい」という願望を知ってか知らずか、なにも決めないで帰ることができたことが大きな成果だったようです。

 このように、せっかく会議を行っているのに何も決まらない、決められないことを「議して決せず」といいます。また、せっかく集まったのに対して真剣な議論や討議もしないことを「会して議せず」といいます。世界から人を集め、時間とお金をかけて何も決することができない会議なら、最初からやらないほうがましです。また、せっかく集まっても、よりよい解決策を求めて議論や討論もしないならば会議を持つ意味がありません。

 実は、サミットも6カ国協議も「議して決せず、会して議せず」で、まさに企業にとって他山の石です。では、このようなダメな会議を行わないために、企業でトップやリーダーはどうしたらよいのでしょうか。
 その1:主催者が会議のアウトプットを明確にイメージングすること。
 その2:会議の参加者にできるだけ資料を先渡しし、各自予習をさせておくこと。
 その3:参加者には必ず自分のスタンスを明確にさせ意見参画させること。
 トップリーダーが「アウトプットを明確にイメージングにする」と、会議は間違いなく目的的になります。「先に資料を渡し予習をさせておく」と、参加者の会議に臨む心構えがしっかりとできます。「自分のスタンスを明確にさせる」と、営業責任者も商品開発責任者も工場責任者も、評論的発言が一切なくなり建設的な会議になります。

 このように、たった3つのことを励行するだけで、会議の成果がはっきりと違ってくるのです。たったこれだけで、洞爺湖サミットよりは間違いなく実りある会議になると、きっと想像していただけることでしょう。

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