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2008年6月16日 (月)

中から見るのと、外から見るのとは

0616_2  今日は、住んでいる者の目から見た「観光地・鎌倉」のお話しを。
 私の住む鎌倉は、この梅雨時になると必ず混むお寺があります。ご存知の方も多いと思いますが、「アジサイ寺」で有名な北鎌倉の明月院です。鎌倉の社寺は、それぞれが名だたる寺宝を持ち観光客も多いのですが、聞くところによれば、この明月院には目立った寺宝がなかったため、それを嘆いた住職が寺を訪れる人々のためにアジサイを寺いっぱいに植えたとのこと、真偽のほどはわかりません。
 また、最近ではTVのニュースなどでも取り上げられる極楽寺に近い成就院も、アジサイでは有名です。しかしながら、このアジサイという花、縄の張られた石の階段を、傘がさせないほどの人々が行列して眺める花ではどうもないように思うのです。

 実は、鎌倉にはアジサイが至るところにあります。ちょっとした坂や小径で、小雨に煙るようなしっとりした空気の中で、アジサイの青や紫、ピンクや白の色が、葉の深い緑と一緒に何とも幻想的に輝いているのにハッとすることがあります。紫という色は、明るいところで見るよりも、ややほの暗いところで見たほうが、はるかに色の鮮やかさを増すということを、私はアジサイで知りました。ですから、本当のアジサイのすばらしさは、カラフルな傘などない、人気もない、ややほのぐらいひっそりとした鎌倉の小径で、ぜひ、皆さんには見ていただきたいなあと思うのです。

 どこの名所もそうでしょうがヨソから来られる方は、どうしても観光ブックに載っている場所だけに行きがちです。が、地元の人は観光名所にはあまり行きません。大仏は、初めて鎌倉に来られたお客様が希望するので連れて行く場所。八幡様は初詣の時だけ。長谷観音に行くよりも、その隣の光則寺。桜にやや遅れて咲く海棠(かいどう)の花は天然記念物でもあり見事です。瑞泉寺の梅に負けず劣らずステキなのが東慶寺の梅、などなど。
 鎌倉ブームということもあり、この10数年で「にわか鎌倉老舗」が一気に増えました。鎌倉駅前の小町通でも、一見、昔からありそうな老舗風の「へえ、こんな大きな店が!」という店が、実は昨日今日のにわか老舗だったりします。ですから、当然のこととして食べ物にしても、観光相手のお店と地元の人の行くお店は必ずしも同じではありません。

 ただ、修学旅行の生徒でも買う鎌倉名物で、近頃はトンとご無沙汰だった豊島家の「鳩サブレー」。こんなものをと内心バカにしていたら、センスもスタイルもバツグンのアーバンライフのA嬢から「鳩サブレーは牛乳と一緒に口に含むと絶品!」と反論され、ホントカイナと疑りつつ試してみたら、何と、これが絶品!改めて、「灯台元暗し」だったのに気づかされました。まあ、お芝居も舞台の正面からお客様として見るのと、楽屋裏から見るのとでは、同じ物事でも見え方が違ってくるものです。
 実は、私はもともと銀座に10分、新宿に10分の東京麹町の生まれで、今も仕事の中心は東京です。ですから30年暮らしても、住人とはいえど地元とはいえません。そんな住人から見た、ヨソの人が知らない鎌倉と、ヨソの人のほうが知っていた鎌倉についてのお話しでした。

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